Book review
Running Lean 第3版 ―リーンキャンバスから始める継続的イノベーションフレームワーク
リーンキャンバスの作成から、需要性・事業性・実現性の検証、PMFまでの実践手順をまとめた本。
全体のサマリー
アイデアの発想からPMF(製品・市場フィット)に至るまでを、設計・検証・成長の3部に分けて説明する本。ソリューションそのものではなく、ビジネスモデルをスタートアップの「製品」として扱う。
設計では、ビジョンをリーンキャンバス1枚へ分解し、需要性・事業性・実現性の3つの観点でストレステストする。MSC(最小限の成功基準)とトラクションロードマップによって3年後の目標を数字にし、そこへ至る段階を組み立てる。
検証では、期待するアウトカムを事前に宣言し、90日間サイクルで進捗と学習を見直す。課題発見インタビューやオファーによって製品を構築する前に需要を確かめ、MVPの段階的なローンチと成長ループへつなげていく。
感想メモ
Lean Canvasの資料は英語のものが多いので、作り方から検証の進め方まで日本語で一通り追える本として読んだメモ。めちゃくちゃ面白いというより、Leanの実践手順をまとめて確認できたのが良かった。
- Lean Canvasを作った直後に検証へ走らず、まず3つの観点でビジネスモデルをストレステストする
- 顧客、市場、技術のリスクを、需要性・事業性・実現性として分ける整理がわかりやすい
以下の3つの観点でビジネスモデルをストレステストします。
需要性(顧客は欲しいと思うか?) 事業性(私たちは事業化できるか?) 実現性(私たちは作れるか?)
- ソリューションではなくアウトカムを先に示す
- ここは新しく知ったというより、「そうだよね」と確認できたところ
「より良い」を定義する前に、顧客が気になるのはソリューションではなく、望ましいアウトカムであることを認識する必要があります。
したがって、顧客の注目を集めるには、ソリューションよりも独自の価値提案から提示すべきです。
- MSCを先に決め、トラクションロードマップを逆算する
- 予測しづらい未来を細かく当てるのではなく、3年後に成功と見なせる最小限の数字を置く
- その数字に向けて、現在・次回・将来のトラクションの段階を引いていく話が一番残った
MSCを作ってから建物の外に出る 多くの起業家は「とにかく行動が重要」と考えて、すぐに建物の外に出て、製品の構築とテストを開始しようとします。そして、数か月後、アイデアが小さすぎることに気づくのです。MSCの検討と設定は非常に重要なステップです。省略しないでください。
TIP MSCの数字に正しいも間違っているもありませんが、数字は必要です。
- ピッチは説明し切る時間ではなく、フィードバックを得る時間
- 20%でビジネスモデルを説明し、残りを相手の反応や議論に使うという配分
20/80の法則を使用する ピッチに20%の時間(5分間)を費やし、残りの時間はフィードバックを求めましょう。 5分間で、ビジネスモデルをピッチします。ピッチの目的は、深く掘り下げることではありません。ビジネスモデルについて、明確で簡潔な概要を伝えましょう。
- 90日間サイクルは少し長く感じる
- 四半期ごとに外部への説明責任を作る考え方はわかる
- 実際に回すなら、もう少し短い単位のほうが扱いやすそう
90日間は、あなた自身、チーム、ビジネスモデルについて、外部に説明するのに適したリズムです。意味のある仕事をこなし、測定可能な進捗(トラクションの達成)を出せる十分な長さでありながら、緊迫感を生み出せる十分な短さです。
後半の成長ループよりも、Lean Canvas、MSC、90日間サイクルまでの設計と検証の話が印象に残った。