Book review

高次脳機能障害 どのように対応するか

高次脳機能障害の症状を捉え、問題行動の要因を探して環境を調整する行動変容法が印象に残った本。

全体のサマリー

脳損傷後に生じる高次脳機能障害について、症状の捉え方とリハビリへの向き合い方を解説する。問題行動を起こす要因を探して環境を調整する行動変容法や、易疲労性への具体的な対処が中心となる。

感想メモ

高次脳機能障害 どのように対応するか PHP新書 | 橋本 圭司 | 医学・薬学 | Kindleストア | Amazon

行動変容法というアプローチの話が良かった。

基本的な対応として、まずは好ましくない行動に標的を定め、その行動を引き起こす要因、あるいは脱抑制の症状を激しくさせる要因を探します。それがわかったら、要因を減らす対策をたてる。そして、実行するというプロセスです。たとえば、ある男性が作業所で作業をしていると、いつも怒り出し、ほかの利用者に暴力をふるっているとする。まず、なぜ怒り出すのか、その要因を探す。観察したところ、いつも殴られているのは、どうも同じ利用者のAさんのようである。また、いつも再生紙のハガキをつくっているときに怒り出すことがわかった。この場合、脱抑制を増強する要因はAさんで、二人はハガキづくりの時間に隣同士で座っていることに気がついた。対応は簡単で、二人の席を離す、二人のあいだについたてを置く、二人の利用日を変える、などになります。 このように、問題行動に照準を合わせ、それを軽減していく手法を「行動変容法」といいます。

問題行動のおきるプロセスを見つけて、それを軽減していく行動変容法は、薬に頼らないアプローチとして使われている。

面白かった箇所:

  • リハビリによって低下した能力を戻すではなく、新しい自分を見つけることに
    • 戻すことを目標にするのは、歪みを生む
  • 易疲労性(覚醒の低下/いひろうせい)脳を損傷して間もない時期、患者さんはたくさん眠ったり、起きていても眠かったり、すぐに疲れてしまったりと、全体的にボーっとした状態になります。これらの症状は、急性期を過ぎても続いているケースが多く、何もしていなくても疲れてしまうことがあります。これらの症状を「易疲労性」、あるいは「覚醒の低下」と呼びます。
    • → 対処として天気の悪い日だからこそ動く癖をつけるなど

高次脳機能障害についてかなり読みやすく書かれて良い書籍だった。 リハビリへのアプローチ、遂行機能の話、行動変容法、易疲労性への対処法とかの具体例も多くて、この辺は障害関係なく普遍的に役立つ話だった

もともとMemory Noteを作っていて、脳の記憶に興味持ったので読んでいた。