Book review
40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人
40代の転職を、求人の実数や年収変化、企業側の評価から現実的に捉えた本。
全体のサマリー
40代の転職市場を、求人の実数、年収変化、企業側の評価、失敗例から現実的に捉える。年齢だけでなく、職種、経験、こだわり、持ち運べるスキルが転職結果を分けることを示す。
感想メモ
久松剛さんのブログでよく推薦図書としてでてきてたので読んでた。
この本は特にプログラマーとかSEとかに限った話じゃなくて、色んな職種がテーマになってる。
この書籍の特徴としては、一般的、平均的な40歳の転職について書かれてる感じ。 35歳定年説がなくなったとかの話は、その話の出どころに偏りがあるかもしれないので、冷静に見ましょうねってスタンスの話があった。
「35 歳限界説はもうなくなった」という論調は、事実であれば好ましいことなのですが、実数を見て冷静に判断する必要があると考えています。 35 歳限界説がなくなったという話は、多くの場合、エグゼクティブに強い人材紹介会社の方から発信されています。
とか
「企業は今、 40 代を求めている」「 40 代でも転職しやすくなった」といった印象を受けます。しかし、実際には 20 代、 30 代の若い人たちの需要が圧倒的多数なのは変わっておらず、「あまりにも採用が難しい職種だけは年齢基準を上げてみようか」というのが企業側のホンネであり、求人倍率が高まっている背景なのです。 この他にも、求人市場が活況になると、「これまで需要が低かった業種・職種」でも需要が改善します。そうした報道の裏で、「もともと需要が高かった業種・職種」はそれ以上に需要が急騰しており、平均した全体の数字を見ると、「これまで需要が低かった業種・職種」の実態以上に改善しているように見えるということも多々あります。
転職マーケットの市場規模
日本の転職、中途採用のマーケットは大体120万人ぐらいという話が面白かった。 職業別就業者数が6500万人ぐらいなので、意外と小さいマーケットなのかなと思った。
2030年の労働市場と人材サービス産業の役割」と05.人材ビジネスの市場規模・事業展望|Works University 人材ビジネス講義|リクルートワークス研究所を見た感じの年間就職者数だと次のような感じ。(どっちもデータの出典は同じだけど、年度が違うっぽい)
- 求人広告: 200 ~ 300万人
- 職業紹介: 50 ~ 80万人
- 派遣: 170 ~ 190万人
- 請負: 77万人?255万人? (なんか実体がちゃんとつかめないらしい)
これは、新規就職とかも入ってると思う。
統計局ホームページ/労働力調査(詳細集計) 2021年(令和3年)4~6月期平均結果の年齢階級別転職者数及び転職者比率(エクセル:21KB)によると年間の転職者数はだいたい 200万 ~ 400万人ぐらい。 これは転職者数なので、転職市場規模とは異なるだろうけど、転職、中途採用のマーケットの120万人という話はどこ出典なのかよくわからなかった。
転職マーケットは結構小さく感じる。(1件の金額は大きいのだろうけど、人数的な意味で) 100万人前後だと、だいたい年間の出生数と同じぐらいの数値。
120万人の分類の話で、
人数で言うと、有料の求人広告で 30 万人、人材紹介(エージェントとか)で 10 万人、縁故で 25 万人、ハローワークで 25 万人、あとは自社のホームページ経由などで 10 万人ぐらい。これで合計100万人
縁故(リファラル)とホームページ経由って意外と多いんだなーとか思った。 最近だとYOUTRUSTとかMeetyとかよく見るようになったので、求人広告周りも変わってる感じがする。
Watntedlyとかの求人メディアとして曖昧な感じなところも、次の議論とかでどっちかに寄ってくる気がする。
反例
これは、なんかこの書籍はいろいろな反例として読むと面白いなと思った。
- 35歳定年説
- スカウトメール: なぜか静岡では珍しいので引っかかってしまったという話があった(バラマキタイプの話)
- 転職ステップアップ: 転職で年収が下がる可能性のほうがある
会社が成長しないために世代交代が進まず、「役職が上がらない」「給与が上がらない」といった不満がきっかけで転職を考え始める人は約 20%、5人に1人の割合です。 40 代転職者の転職後の年収を見ると、 10%以上上昇した人が 32・2%、 10%以上減少した人が 32・9%とほぼ同じです。ただ、 20 代、 30 代では、転職後に 10%以上年収が上がる人のほうが、 10%以上年収が下がる人よりも5~ 10%多いことを考えると、 40 代の転職では、年収が減少する可能性が高いと言える
- こだわりを持ちすぎて転職に失敗するケースの話
- 年収、役職、企業規模にこだわりすぎて失敗した事例
- must条件とwant条件はちゃんと分けようみたいな話が面白かった
- 2,3,2年みたいな転職を繰り返している人は、ネガティブな印象が持たれるかもという話
- 例外として、金融、IT、コンサル系だと、そういう人も多いのでこの辺は許容されやすいという話
ブーメラン
一般に、自分の故郷に帰る転職はUターン転職、ゆかりのない地方に行く転職をIターン転職と呼びます。また自分の故郷の方向ではあるが、途中の地方まで帰ることはJターン転職と言い
とか
こうした人たちの多くは、介護していた親が亡くなると、故郷から東京などに戻り、再度転職をしています。介護のために故郷の企業に転職し、親が亡くなって戻ってきてまた転職する「介護ブーメラン転職」とでも呼ぶべき状況も生まれてきているのです。
全然書籍の本筋とは関係ないけど、転職業界ってなんか回転する単語がやたらでてきて面白い
その他
最後の方は、 転職市場は、 35 歳、 40 歳、 45 歳、 50 歳、 55 歳と5歳刻みで求人数が半減していくので、 異業界、異職種への転職でも役立つポータルスキルも大事だよって話とかのアドバイス的な話だった。
現実の話の比重を置いている書籍だなと思った。
この本の反例にあたる50歳SEの生き方も一緒に読んで、比較しながら感想書いてみた。